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[衣笠店] 2022-03-22

耳鳴りについて

私たちの世界は、音にあふれています。笑い声、忘れられないメロディ、岸に打ち寄せる波音…。
すべての音が音楽のように耳に届き、私たちの生活を豊かに彩りつづけてくれます。
しかし、ある日突然、笛の音が1日中鳴り響くように耳鳴りが始まったら、どうなるでしょうか。

耳鳴りとは、周囲の音とは別に耳の中で聞こえる雑音・異音のことをいいます。
片方の耳で鳴っていると感じる場合もあれば、両方の耳で感じる場合もあります。


今のところ、耳鳴りを確実に消失させる薬や治療法がないのが実情ですが、耳鳴りを緩和する方法はあります。

○耳鳴りに関するデータ
耳鳴りは難聴と関連がありますが、難聴の程度にかかわらず耳鳴りになることがあります
・約10 %から15 %の人が慢性的な(6か月以上)耳鳴りに悩まされています
・耳鳴り患者の約20 %が、耐え難い苦痛と感じています
・耳鳴り患者の90 %以上が難聴を伴っています
・耳鳴りは、様々な原因により、誰にでも起こりうる一般的な疾患です
・耳鳴りのメカニズムは、多くの場合、神経活動と深い関係があります

○耳鳴りの原因と診断について
耳鳴りは、聴覚伝達系の問題の現れであり、実にさまざまな病気のパターンに関連付けることができます。
耳鳴りに悩む人のほとんどが、聞こえにくさも感じています。
耳鳴りの主な原因の一つが聴力の低下です。
例えば、爆発音や、大音量の音楽を聞いた場合などに突発的に起こることがあります。
また、加齢による聴力低下により突然耳鳴りが起こることもよくあります。ただし、耳鳴りが難聴のきっかけになるわけではありません。
聴覚系のダメージのほか、顎関節の機能障害(歯ぎしりなど)や慢性的な首の筋肉の緊張によっても耳鳴りが起こる可能性があります。
耳鳴りの原因としてストレスが挙げられることもありますが、
今のところ、その関連性を示す科学的根拠はありません。
しかし、耳鳴りはストレスの原因となり得ます。
また、ストレスを感じるほど耳鳴りの不快音の感じ方が激しくなることもあります。
薬の服用が耳鳴りを誘発する場合もあります。
通常は、服用を止めると耳鳴りも消えますが、薬の服用により大きなダメージを受けたことが、慢性耳鳴りの原因となる可能性もあります。



○耳鳴りの診断

耳鳴りは、人により感じ方が異なるため、正確な診断が非常に重要です。まず、原因を調べ、医学的に治療できるかどうかを判断します。その診断にあたっては、耳鼻咽喉科の専門医による様々な検査を行う場合があります。耳鳴りの高さや音量は、特殊な診断テストで判定することができます。また、聴力検査で難聴併発の有無を明らかにします。



○耳鳴りは「症状」であり、病気ではありません

耳鳴りが生活にどの程度影響するかは、
耳鳴りの音量、頻度、継続時間、個人的な感じ方など、
様々な要因により異なります。
耳鳴りそのものは、痛みと同様にひとつの「症状」です。
原因を治療することが必要な「病気」とは異なり、
耳鳴りは、ひとつの状態として処置することしかできない場合がほとんどです。

また、耳鳴りは病気の一端となる可能性もあります。耳鳴りが酷いと、睡眠障害や恐怖感、ふさぎこみの原因となる場合があります。

○耳鳴りをコントロールする方法
耳鳴りは不快感を伴います。また、自分の意思に反して耳鳴りを意識してしまう傾向があります。最初は、「休めば治る」と考え、家で安静にするかもしれません。しかし、このように引きこもると、周囲との関わりや、聴覚的な刺激、気晴らしの機会なども減少し、かえって耳鳴りに意識が集中しやすくなってしまいます。その結果、耳鳴りに対して何もできないという無力感が高まり、もっと悪化するのではないかという恐怖感も加わり、さらに耳鳴りが気になるという悪循環に陥ります。耳鳴りから気を逸らすことで、この悪循環を断ち切ることが重要です。

○最新技術とカウンセリングによる耳鳴り対処方法
最新のデジタル技術が耳鳴り治療に役立つ場合があります。主な原理は外部から音刺激を与えることにより外部の音に注意を向けさせ、「耳鳴りを気にならなくさせる」方法です。この音響療法は慢性化した耳鳴りに対して有効な治療方法の1つではありますが、経験が豊富な専門医のカウンセリングや指導が不可欠です。耳鳴り治療器はただ装用すれば症状が改善するものではなく、間違った使い方をすると、耳鳴りを逆に悪化させてしまいかねません。



○サウンドジェネレータ(音響治療器)
サウンドジェネレータ(音響治療器)は主に難聴のない人を対象としています。見た目は補聴器に似ていますが、周囲の音を増幅するものではありません。これは、耳鳴りから意識を逸らすための小さなノイズ(治療音)を発生させることで耳鳴りが大幅に緩和される場合があります。

○補聴器
難聴を伴っている患者さんの場合、補聴器を付けることで聞こえが良くなり、耳鳴りも緩和するケースが多くあります。聞こえがよくなると、耳鳴りへの意識が薄れるためです。補聴器は、周囲の音を増幅して耳に送ります。これにより、それまで聞き取れなかった周囲の様々な音に意識が向けられることになり、耳鳴りが緩和されます。

○コンビ(補聴器+サウンドジェネレータ)
補聴器は実際の周囲の音を増幅することしかできないため、非常に静かな環境では耳鳴り治療ツールとしての有効性に欠ける場合があります。このような場合は、サウンドジェネレータ機能付きの補聴器が有効です。静かな環境では、サウンドジェネレータが小さなノイズを発生させ、耳鳴りから患者さんの意識を逸らすことができます。


シグニア補聴器の多くの製品は耳鳴り治療器機能(TRT)を搭載しています。
TRT(耳鳴り再訓練法)用の治療音(音響的ノイズ)により、耳鳴りの悩みに応えます。



耳鳴りの治療及び本機能の使用については、機器の購入の前にまず耳鼻科専門医にご相談ください。




衣笠店 2022-03-22






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