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[追浜店] 2023-10-29

「補聴器」と「集音器」の違い

こんにちは!
朝晩と大分冷えるようになってきた今日この頃。
横須賀の皆さんは、いかがお過ごしでしょうか?

さて、今日は補聴器と集音器の違いについて。


よくテレビ通販などでも見かける集音器。
補聴器と見た目が似ているので、どちらも同じ商品、同じ機能があると誤解されがちです。
お店でお話ししていても、混同されていらっしゃる方がよく見受けられるので、この機会にご説明をさせて頂きます。

下の表は一般社団法人 日本補聴器工業会が600名の方に調査した
「 補聴器と集音器の違いを知っていますか?」という質問に対する結果です。



やはり、皆さんも改めて聞かれると、分からないという方が多いようです。

ではその違いを解説していきましょう。

まず、補聴器は「医療機器」、集音器は「オーディオ機器」に分類されます。

厚生労働省から「管理医療機器」の認定を受けており、品質や安全性、有効性について一定の基準をクリアしたものです。
一方で集音器は、あくまでも「家電製品」なので、「管理医療機器」の認定は受けていません。

医療機器なのかオーディオ機器なのかが、商品カテゴリーの大きな違いとなります。

補聴器は医療機器であるため、取り扱う店舗は保健所から販売許可をもらう必要があり、この許可がないと販売できません。逆に言うと、補聴器販売店は保健所から「取り扱って大丈夫ですよ」とお墨付きをもらっている
ことになります。

医療機器である『補聴器』は、医療の本質に直接関与する機器であり、そういった意味で『集音器』は全く違うカテゴリーの製品だということができます。

集音器はオーディオ機器なので販売の敷居が低く、インターネットでもよく見かけます。


次の違いは「どんな人を対象としているか」という点です。

『補聴器』は薬事法で定められた管理医療機器に指定されており、「聞こえ」が低下してきた人や不自由な人が使用することを前提に開発、製造されています。機能面においてもそうした点を配慮した機能が搭載されています。例えば、騒音の中で言葉を聞き取りやすくする機能や、必要以上に大きな音を出して、耳を傷めることのないように出力に制限をかけることができる機能、ハウリングを防止する機能などです。

一方、『集音器』は医療機器ではないため、製造や販売する上での制約はありませんし、難聴の人を前提としたさまざまな機能は搭載されていません。どちらかというと、一般的には正常な聴力の人向けにつくられているものが多いようです。

そして次には「使う人に合わせた調整が可能か」ということです。

聴力がどの程度低下しているのか、どんな音が聞きにくいのか・・・。
難聴の程度は人によってさまざまです。難聴の人が快適な聞こえを獲得するためには、
その人の聞こえの状態をしっかり把握し、その人の聴力や聞こえに合わせて細かく補聴しなければなりません。
どの周波数の音が聞き取りにくいのか、どのくらい出力を上げると聞きやすくなるのか、どの程度雑音を抑える必要があるのか・・・。
補聴しなければならないポイントも多岐に渡ります。
管理医療機器である『補聴器』は、難聴者のニーズに応えられるよう、使用する人に合わせて調整できる機能が搭載されています。当然、価格や機種によって調整できる範囲や機能は違いますが、『補聴器』は使う人に合わせて調整を重ねることを前提としています。一方、『集音器』や『助聴器』は一般的には、使用する人に合わせて細かく調整する前提で製造された製品ではありません。音量調節等の機能は搭載されている製品が多いようですが、個々の人の聴力や聞こえの状態に合わせて調整しながら使用する製品ではないと考えた方がいいでしょう。

最後に、「販売方法の違い」です。

管理医療機器であると同時に、使用する人に合わせて調整することを前提とした『補聴器』は、
"買って終わり"という製品ではないため、販売も補聴器専門店や眼鏡店の補聴器コーナーなどでの対面販売が基本となっています。購入する際には、カウンセリングや聞こえのチェックを行い、購入者の聴力や聞こえの状態に合わせて補聴器のフィッティングを行います。また、購入した後も、日常生活の中での聞こえの状況に合わせて、購入店で調整を繰り返すことでより自分に合った補聴器をつくり上げていきます。一方、管理医療機器ではなく、使用する人に合わせた調整を前提としていない『集音器』や『助聴器』は、通信販売や一般の電機店で購入することが可能です。

このとおり、『補聴器』と『集音器』や『助聴器』とは見かけは似ていても、基本的には違う位置づけの製品だということができます。ただし、実際に『集音器』の効果を感じている人がいることも事実で、必ずしも『集音器』を購入することが良くないという訳ではありません。
問題なのは、『補聴器』と『集音器』や『助聴器』が同じ機能を持っていて、同じ効果が得られるという間違った認識を持ってしまうことです。『集音器』の中には、外見を見ただけでは、『補聴器』との区別がつかない製品もありますし、広告などを見ると、『補聴器』と同じような効果が得られるような表現も見受けられます。
そうした誤解によって『補聴器』のつもりで『集音器』を購入してしまい、満足な効果が得られないということや、ひいては健康被害を引き起こしてしまう恐れがあるということが大きな問題なのです。
大切なことは、まず、両者の違いをはっきりと理解した上で検討することです。そして、何より、聴力の低下を感じたり、難聴に関して気になることがある場合は、耳鼻科の専門医に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。

何か気になることがあれば、お近くの耳鼻科さんか、認定補聴器技能者のいる補聴器店に相談してみてください。


追浜店 2023-10-29






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