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[久里浜店] 2022-11-03

音は「電気」で聞く??

人間の体の中では、常に微弱な電気が生じています。
体で感じたことを脳に伝える、
脳が体に指令を出す、心臓などの臓器が動く、などの生命活動は、
すべて電気信号を通じて行なわれているのです。
健康診断で測定する脳波や心電図などは、
脳や心臓に流れる電気信号を“見える化”したものです。



この体内にある電気は、
一部は体の外側ににじみ出て、
ごく微弱な電気の流れが全身を包むように存在しているそうです。
これは「準静電界」と呼ばれているものです。
準静電界は人間だけでなく、
動物や植物など、生物すべてが持っています。
また、車や電車などにもあるそうです。





東京大学生産技術研究所の研究者によりますと、
一部の魚や動物はこの準静電界を感知できるセンサーを持っているとのことです。
サメやエイ、ナマズなどの魚類、
またオーストラリアに生息する哺乳類のカモノハシなどです。
光が届かない深い海や、海底の土の中など、
視力や聴力、嗅覚が使えない環境下でも
エサを捕まえることができるのは、
このセンサーを使っているからだそうです。



また、人間もこの準静電界を感じ取っている可能性があると
考えている研究者もいます。
準静電界が「気配」の正体かもしれませんね。
いろいろな研究が進められているそうですが、
人体の不思議な仕組みはまだたくさんありそうです。




ちなみに、人体の中で一番電圧が高い組織は、
耳の中の「内耳」という場所だそうです。
脳や心臓よりもはるかに高い電圧が、
耳の中で常時生じているのです。どうしてでしょうか?

実は、音を聞くためには必ず電気信号が発生するからなのです。

耳の穴に「空気の振動」として入ってきた音は、
鼓膜などを通じて「振動」として耳の中に届けられます。
そして、かたつむりのような形をした器官「蝸牛」に着くと、
「有毛細胞」という細胞が振動を「電気信号」に変換するのです。
電気の信号は神経を通じて脳に送られ、脳が「音が聞こえる」と判断するのです。



この「音を聞く」という行為は、
24時間休むことなく機能します。
例えば「見る」という行為は目を閉じてしまえば行われず、
目の中の細胞は休むことができます。
ですが耳は常に音をとらえ続けるので、
眠っている間に大きな音がすると起きてしまうのです。

24時間働き続ける耳、耳の中の「有毛細胞」も常に機能しています。
そのため、この細胞は傷つきやすく、
また一度傷ついてしまうと、もう元には戻りません。
新しい細胞が出来たり、細胞の傷が治ったりはしないのです。
多くの有毛細胞が傷ついて、電気信号に変換しづらくなってしまった状態を「難聴」といいます。



現在、この有毛細胞を再生させる研究も進められています。
いつか、聴力を復活させることができる日が来るかもしれません。

難聴は、年齢を重ねるにつれて誰にでも起こりうるものです。
ですが、加齢や騒音による有毛細胞の損傷はゆっくり進行することが多いので、
難聴は自覚しにくい場合があります。

それでも、難聴を早期に対処することで良い結果につながるといわれていますので、
ぜひ定期的に聴力検査を受けて自分の聴力を把握しておいでください。


久里浜店 2022-11-03






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